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2008年9月

サンタフェ鉄道の歴史的鉄道遺構

  現役で活躍するものを「遺構」と言っては失礼かもしれない。

先日乗ったアムトラックのサウスウエストチーフ号、ニューメキシコ州走行中にチラッと見えた信号機。「え、腕木.....?」

  その後は見かけることもなく確証は無かったが、帰ってから調べてみると、確かにニューメキシコ州、RatonとLas Vegasとの間にはサンタフェ鉄道時代から残る「腕木式信号機」が現役で活躍しているらしい。

  腕木式信号機とは、信号機から突き出した腕が物理的に動くことで「進行」や「停止」を指示する信号機である。かつては世界中の鉄道で見ることができたが、現在ではその多くがライトの色で列車の進行を指示する「色灯式」に置き換えられ、ほとんど見ることができない。

  日本でも近年までローカル線でその姿を見ることができたが、色灯式への置き換えや、路線自体の廃線によって、2008年現在では青森県の津軽鉄道に数本が残るのみとなっている。下写真は津軽鉄道、五所川原駅の場内信号機。

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  宮沢賢治の短編、「シグナルとシグナレス」にその腕木の動きによって感情を描写するシーンがある。腕木信号機がほとんど無くなってしまった現代、その情景をイメージすることは難しくなっているかもしれない。

腕木・ハエタタキ・短尺レール

  さて、アムトラックのサウスウエストチーフ号は、旧アッチンソン・ピカタ・サンタフェ鉄道の路線を使い、シカゴとロサンゼルスの間を結ぶ旅客列車である。サンタフェ鉄道は1996年にバーリントン・ノーザン鉄道に吸収され、現在ではバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(BNSF)の一部となっている。

  サンタフェ鉄道の路線の大部分は時代とともに整備され、信号も近代的な色灯式のものが用いられているが、なぜかニューメキシコ州北部、Raton付近のみ、現在でも腕木式信号機が活躍する区間が残されているのだ。長大貨物列車やアムトラックの寝台列車の行き交う一級幹線に21世紀まで腕木信号機が残されているのは奇跡としか言いようがない。

  それも、何年も前から置き換えがアナウンスされており、本来ならもうすでに撤去されているはずのものらしい。

  アメリカらしい雄大な景観の中を駆け抜けるアムトラックの長距離列車と腕木信号機。それも近日中に姿を消すという。いてもたってもいられなくなり、後日取材(?)に駆けつけた。

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  ワゴンマウンド(Wagon Mound)付近をサウスウェスト・チーフ号が高速で駆け抜ける。ワゴンマウンドは周囲を断崖絶壁に囲まれた同名の孤峰(butte)の名前に由来する地名である。ちなみに、このあたりの定期旅客便の発着する最寄の空港はニューメキシコ州アルバカーキか、またはコロラド州コロラドスプリングス。どちらからも約300km離れている人口希薄地帯である。

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  腕木が上を向いているときが「進行」、斜め上が「注意」、横向きが「停止」を表す。日本の腕木信号機では下向きが「進行」、横向きが「停止」で若干異なる。また日本では通常「進行」「停止」の2状態の現示で、「注意」も含めた3現示式のものは見たことが無い。

  この指示は電線によって伝えられるが、線路脇にはその電線を設置するための電信柱が設置されている。かつて日本ではその見た目から「ハエタタキ」と呼ばれていたものだ。

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  その他にも、この付近では短尺レールや木製の橋脚など、まるで50年前にタイムスリップしたかのような鉄道情景が展開されている。

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Wigwagって?

腕木式信号機と同様に、アメリカで絶滅の危機に瀕している鉄道施設にWigwagがある。日本では使われることがなかったので我々にはピンと来ないが、Wigwagはかつてアメリカで広く用いられていた踏み切り警報機だ。

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  列車が接近すると、カンカンという警報音が鳴ると同時に、上部の円盤の赤ランプが点灯し、左右に首を振るしかけだ。かつてはアメリカのどこでも見られた踏切警報機だそうだが、日本と同じ2つのランプが交互に点滅するタイプに置き換えが進み、現在では極めて数が少なくなっている。

  サンタフェ鉄道沿線もニューメキシコ州内は既に絶滅、コロラド州では北部のDelhiに1箇所のみが現存している。

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  腕木信号機にせよWigwagにせよ、機械的な動作を伴うシステムはメンテナンスを怠れば錆や磨耗によって動かなくなる。コストに厳しく、合理社会のアメリカでこの人手のかかるシステムが今日まで残っていることははっきり言って驚きだ。

  ずいぶん前から置き換えがアナウンスされているとはいえ、幸運にも21世紀にまで生き延び、さらに毎日働き続けていることを素直に喜びたい。

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SSSS

ついに来た! SSSS搭乗券Get!

Ssss

  "SSSS"は"Secondary Security Screening Selection"の略で、飛行機搭乗前のTSA(Transportation Security Administration)の手荷物検査をフルコースで受けられる権利に当選したことを示しています。当選すると、通常の金属探知機と手荷物のX線検査に加えて、手荷物の中身を全部紐解いて隅々まで検め、更にイオン分析器にかけて爆発物の痕跡がないかチェックされます。

  厳正な抽選のもと、発券を以って発表に代えられるこのプラチナチケット、噂では50人に一人選ばれるそうです。

  ただし、単に抽選というわけでもなくて、出発直前の購入または変更、片道のみの購入、あるいは購入者をトラックしにくい買い方、例えばクレジットカードではなく現金で購入したりした場合に当選確率が上がると言われています。要は「コイツ、チケットの買い方が怪しいから念入りにチェックしなさい」という意味な訳です。

  さて、今回当選した"SSSS"チケットですが、

  1. 早朝発のチケットを前日夜に購入(要は直前)。
  2. 片道切符。それもボストン発コロラドスプリングス行きをシカゴで乗り継ぎ。
  3. 乗り継ぎも含め2便ともユナイテッド航空の運行便ですが、ユナイテッドで購入せず、コードシェアしているUSエアから購入。(USエアの便名の方が安かったんだもん)

と、直前購入、怪しいルートの片道切符、購入者をトラックしにくい買い方、と三拍子揃ってます。これでは"SSSS"がつかない方が不思議ですね。

  ボストン空港のTSAのおっちゃん、、「ハッハー!あんたはラッキーだ!悪く思わんでね~!」みたいなノリで色つきのペン(それも2色!)で楽しそうにSSSSを強調するために色を塗ってくれました。

  いいもんね。どうせ怪しいもの"しか"持ってないし。木を隠すには森?

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ラスカルを訪ねて三千里

  ウィスコンシンで最も大きな街はミルウォーキーですが、州都は車で二時間ほど内陸に入ったところにあるマディソン(Madison)です。

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  州議事堂を中心として放射状に広がる規則正しい街区は、きちんとした都市計画のもとに街づくりがなされていることを伺わせます。

  ここは「ラスカル」の故郷であることが有名、らしいです。ラスカルといえば、「世界名作劇場」のアニメ「あらいぐまラスカル」。アニメは1977年に製作されていますが、その後何度も再放送されているので、日本人で知らない人はほとんどいないと思われます。

  原作はスターリング=ノース(Sterling North)によって著された「はるかなるわがラスカル(原題:Rascal)」で、彼自身の実体験を綴った小説です。

  同じシリーズの「フランダースの犬」は、日本人には非常によく知られていても、舞台となったベルギーでは全く知られていないという話をよく耳にします。一方でラスカルは、原作の小説がアメリカの子供の間で現在でもよく読まれていること、1969年にディズニーで実写映画化されていることなどから、アメリカでもよく知られています。

  小説の舞台となった、スターリングノースが子供の頃住んでいた家は保存されており、その名もスターリング・ノース協会(The Sterling North Society)によって維持、管理されています。

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  現在では閑静な住宅地で、アライグマは出没しそうにありません。でもハイウエーで車に轢かれたアライグマはたくさん見ました(;_;)。

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  Madison一番の繁華街、State Streetにある日本料理店、TAKARAにて。天ぷら定食。海老天に見えますが、海老ではなく、チキンを細く切ったものです。海老、チキン、野菜の3種類から選べます。その他の天ぷらも、ニンジンやブロッコリーとかマッシュルームなど、微妙にヘン。

  それよりもムムムなのは、ご飯のおかずに寿司(カリフォルニアロール)。その上、コロッケ。天ぷらの衣も小麦だし。あのネ、炭水化物が多過ぎだと思うの。

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デスバレー

  デスバレーとは、企業における基礎研究が、うまく事業に結びつかないことを例えて言う言葉です。研究した成果が製品となり、それが利益を上げるまでには幾多もの困難があり、あたかもその過程に死の谷が広がっているように思われることからこう言われるようになりました。

  デスバレーを生み出すのは、研究者に経営的視点が欠けていたり、また逆に経営者に技術的視点が欠けていたり、また部門間の連携が悪く十分な開発資金が得られなかったりと、日本企業が抱える様々な要因が指摘されています。

  さて、企業の研究職に就いていると何かと耳にするこの「デスバレー」、今回のエントリーとは全く関係ありません(^^;

  カリフォルニア州東部には、南北650kmに渡ってシェラネバダ山脈が貫いています。シェラネバダ山脈の西側は、太平洋から吹き込む風によってやってくる降水によって多くの湖沼に恵まれ、豊かな大自然が広がっています。合衆国の国立公園第一号、ヨセミテ国立公園などが特に有名です。

  デスバレーは、そんなシェラネバダ山脈の東側、太平洋プレートに押された北米プレートが隆起と沈下を繰り返してできた山塊に囲まれた地域にあります。ヨセミテに恵みをもたらした太平洋の水分もここまでは届かず、年間降水量はわずか50mmに過ぎません。また近隣の山塊に遮られて風も吹き込まないため、極度の高温・乾燥地帯が広がります。

  夏場の平均気温は40℃を超え、最高気温は50℃を超えることも珍しくない、全米で最もアツい国立公園です。

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  デスバレーで最も標高の低い地点は海抜下87mのバッドウォーター。ここは北米で最も標高の低い場所です。かつては海底であったこともあり、僅かに流れ込む水分に含まれた塩分が堆積し、広大な塩の湖を形作っています。

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この日の気温は華氏114度(摂氏約45度)。涼しい方ですね。

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バッドウォーターは、標高1,669mのダンテス・ビューから見下ろすことができます。

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スターウォーズや猿の惑星での地球外でのシーンも、ここデスバレー一帯でロケが行われています。気温といい、風景といい、地球とは思えない場所ってことですね。

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