Pike's Peak Cog Railway
なぜかこのBlog、ケーブルカーとか登山列車のエントリが多い。
Pittsburg Incline → アメリカ最古のケーブルカー
Mt.Washington Cog Railway → 世界最古の登山列車
Chatanooga Incline → 世界最急勾配のケーブルカー
そのワケは.....
「バカとケムリは高いところに昇りたがる」
........真理だ。
というわけで、今週もまた高いところからお送りします。降り立ったのはコロラド州、デンバー国際空港。コロラド州は、南北にロッキー山脈が貫いており、州全体の平均標高が2,000mを超える、全米で最も高い所にある州です。
デンバー国際空港からしてすでに標高1,600m。空気が薄いぜ。おまけにこの空港、ターミナルの長さが1,000m以上あります。飛行機に間に合わない!とか走ったら確実に酸欠になるな、こりゃ。
ちなみに、このデンバー国際空港、世界の民間空港の中で最も長い、4,853mの滑走路を持ちます。一般に、標高が高く、空気の薄い場所では、飛行機の翼が発生する揚力(浮き上がるための力)、エンジンの発生する推力(前に進ませる力)ともに低下するため、飛行機が離陸するためにより長い滑走距離が必要になるためです。
Pike's Peak Cog Railway
コロラド州には、13000フィート(3,962m)以上の山がなんと250峰以上、さらに、14,000フィート(4,267m)以上の山も53峰もあります。Pikes Peakはその中で31番目に高い山で、その標高は14,110フィート(4301m)です。
Pike's Peak Cog Railwayは、麓の町Mantouから頂上まで約8.9マイル(14.2km)を結ぶ登山鉄道です。登山鉄道としては、全長、到達高度ともに世界一です。ただし、一般の鉄道を含むと、チベットの青海鉄道(5,072m)、ペルーのアンデス中央鉄道(4,787m)、アンデス高原鉄道(4,319m)についで4番目に高いところを走る鉄道ということになります。
なお、山の名前Pikes Peakは、探検家Zebulon Pikeにちなむものですが、鉄道の名前はPike's Peakとアポストロフィがつきます。
鉄道の開業は1890年。平均勾配は約160‰(1,000m進んで160m登る)で、中央のラックレールに車両側の歯車(ピニオン)を噛み合わせながら上ります。
採用されているラック方式は、アプト式と呼ばれる2本の位相をずらした歯に2枚の歯車を噛み合わせるもので、同じアメリカのラック式登山鉄道のワシントン山登山鉄道(こちらはリンゲンバッハ式)とは方式が異なります。
開業当初は蒸気機関車を使用していましたが、現在では(本場?)スイス製のディーゼルカーです。旅客用の車両は、2両編成が四編成と、単行車両2両の計8編成を保有していますが、相互に連結して運行することはできません。ハイシーズンには、複数の編成を続行させて運転します。
手前に見えるのがGE製の事業用牽引車で、これは電気式ディーゼルカー、つまりディーゼル発電機で発電した電力でモーターを回して進みます。屋根上に見えるのは抵抗器です。下り坂ではエンジンをシャットダウンして、車輪のモーターで発電した電力を抵抗器で熱に変えて減速します。
車内の様子。
運転台。車のハンドルに似ていますが、これで方向を変えるわけではありません。ヨーロッパの鉄道によく見られるタイプで、右に回すと加速(アクセルに相当)、左に回すと減速(ブレーキに相当)します。
1日目最終便
麓のMantouに行ってみたところ、天候は曇。とりあえず登ってみることに。が、途中から雲の中に。
斜面を登る雲はなかなか幻想的ですが、頂上も雲の中で真っ白け。
2日目始発便
1日目は天候が思わしくなく、やや消化不良だったので天候が改善した翌日朝にリベンジ。
岩場と針葉樹林の中を進むうち、やがて森林限界を超えて眺望が開けます。
途中はこんなお客さんも。
そして行程の最後は250‰の勾配をラストスパート。
頂上からは遠くカンザスまで望むことができます。
一般に、人間が酸素マスク無しで活動できる限界高度は14,000フィートと言われています。Pikes Peakの頂上はちょうどこの限界の高度ということになります。ここは0.6気圧程度、この高度を超えて与圧無しで飛行する航空機では、パイロットも酸素マスクを装着することが義務付けられています。はしゃぎすぎたり、体調によっては、高山病になる人もいるでしょう。現に、帰りの列車では青い顔をしてぐったりしている人も見かけました。
おまけ。Georgetown Loop Railroad
コロラドには魅力的な保存鉄道がそれはそれはたくさんあるのですが、とてもまわりきれないので今回はお預け。
これはそんな中のひとつ。Georgetown Loop鉄道。その名の通り、弧を描いて山を登っていきます。
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